非日常、『私も抱いて欲しいと要求します。無論性的な意味で』

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「ほら、いつもの量産型液状エリシオン凝縮剤だ。リリィと希と槻乃だけ取ってくれ」 手のひらの上に置いた液状薬剤3本をそれぞれ名前を呼ばれた少女達は取っていく。「いつものドロドロして臭くて濃ゆくて苦い液じゃのう。これで白ければ完全にアウトであったろうに」と、リリィが変な事を言いやがりまして、 「「私達の分はー?」」などと、静流と千三子が声を合わせて中羽に詰め寄りました。確かに、彼女達の分は用意されていませんね。 詰め寄られた中羽は別に忘れていたとかそういうウッカリ属性を発動した訳ではなく、用意しなかった理由を伝えます。 「お前等なぁ、この前薬のせいで戻れなくなり掛けたのを忘れたのか? また同じような事でも起こってみろ、助けられるかどうか自信なんてないぜ。 それに総戦力で事に当たれとか言われたけど、内容を聞く限りこの3人が居れば済む話みたいだし、ともかくお前等は今夜お預けだ。特に静流」 「え、な、何かな~?」 「お前が一番危ないって事を自覚しておけよ。気軽に飲もうとか使おうとか2度と考えるな、分かったか?」 「ぶー、ぶー。それくらい分かってますよーだ」と、静流本人にしたら納得していないような口調でしたが、千三子と同じく今夜に関しては諦めてくれたようです。 それでもこの2人の事ですからまだ不安はありました。なので、更に可能性を潰しておくためか中羽は槻乃に向かって、 「だから槻乃、脅されたってこの2人に譲ったりするなよ。今夜はお前が使うんだ」 「ハ、ハイれすのん」と可愛く答えたが、注射が苦手な小学生は半べそをかいてました。紅里の内情を察するに代わって欲しかったのでしょう。 残念がる槻乃と落ち込んでいる2人。戦う前なのに戦意喪失している彼女等は大丈夫なのかと、少しばかり心配してしまう雰囲気の中。 ふと、街が震えたような錯覚がここにいる全員に伝わりまして、更に、 「――――東側付近のビル街にマーク、合図だな」 何かを思い出すような姿をしながら中羽が呟くと、全員も合わせて頷きます。誰1人として今の言葉の意味が分からぬ物は居ませんでした。 待ちに待った合図が出たので、リリィと希と怖がっている紅里はそれぞれ渡された注射器を腕に刺し、液体を直接体の中へ流し込みます。 「んん……」 「くっぅん」 「ふにぃ……」 三種三様の短い声を漏らして、全員投薬し終えました。
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