非日常、『私も抱いて欲しいと要求します。無論性的な意味で』

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「はは、そうだそうだよ。ここは俺等みたいなはみ出し者が集う楽園だもんな、んじゃ人魚の先輩が居てもなんら不思議じゃねーわな」 彼は目の前の人物に対して納得していた。 粗津市とは、その手の世界において半端者やはみ出し者を救済してくれる街であると、狐男は元居た里を出て行く前に長にそう教えてもらったのだ。ならば自分のような人魚や狼男が居てもおかしくないと考えたのである。 女にありつける目論見が外れたが、まぁいいのだ。ここの先住人であるならば聞いておきたい事がある。と思った狐男は希に聞きました。 「なぁ、先輩なら良い人間の狩り場くらい知っているんだろ。穴場を独占したい気持ちは分かるが新人にちたぁ優しくしてくれねぇか?」 「いやいや、私ら人魚は雑食っすが人間食べへんし。大体、魚とか貝とかペンギンとかいつも食ってますん」 「なんかシャチみてぇだな」なんて率直な感想を言う狐男。「私はバリバリ山の幸が好きっすね」と聞いてもいない余計な情報を暴露してくれる希。 どうも聞きたい事を元から知っていないようなので、期待外れかよと呆れ顔になった狐男に、 「第一今日は狐狩りって任務があるんすからね!」 渇を与える一言であった。 なる程、どうも俺は今日狩られる側であるらしい。と思いながら、自分の立場が分かった途端、 「やってみろや先輩! 陸に上がった魚が何出来るって言うんだよ」 狐男は吠え、その手からありったけの火を噴き出させて希を威嚇するのでした。 狐の幻想種ならば狸と同じく大抵化ける能力を有しているものだ。姿形をコピーし、声すら変える上達者も居ますし、長ともなれば空間すら化け力で変貌させたりするものです。 しかし、人間と混ざった半端者の狐男にはそんな異能は御座いません。あるものと言えば、人間の血が欲望を生み、攻撃的な性格と幻想種の力が混ざり合って可能になった狐火です。 炎を自在に操れたりとか威力を調節したりとかそんな細かい芸は出来ませんが、それでも人を容易く焼き殺す程の火力を放つ事は出来るのです。 「お~、マジシャンっぺぇ」等と、威嚇で辺りに散らした火花をそんな程度の賞賛しか言わないんですから、短気な狐男はキレました。 犯す、泣き喚きつかせる、んで焼き殺す。 こうしなければ気が済まない狐男は希へ駆け寄り、隠していた爪を露わにして希の体を引き裂こうと手を伸ばしましたが、
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