95人が本棚に入れています
本棚に追加
引っ越し日早々に
なんてツイてないんだ・・・
「おおおおオイっっ、なんとか言えっっ!」
おれはただ、
見つけた野良猫にエサをあげてただけなのに。
「なあ・・・か、帰ろーぜ・・・」
そーだ、
帰ってくれ。
頼む。
怖いから。
「ちっ、ちきしょー!覚えてろっ!!」
歯の欠けたダサ派手なシャツを着た男2人は、
そう吐き捨てて暗闇へと走り去った。
「はあ・・・。」
1人ぼっち。
「ニャオン」
もっとエサをくれと足にすり寄る野良猫を見つめ、
虚しい気持ちを溜め息とともに吐き出した。
「どーしておれに話しかけてくるヤツって、あんなんばっかなんだろーなあ。」
「ゴロゴロゴロ・・・」
野良猫のノドを撫でながら、
寂しそうに笑った。
最初のコメントを投稿しよう!