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「―――貴方の身体は、見付かりました。近々犯人も捕まるでしょう」
とろりとした闇の支配する星のない空の下。
人気のない公園で、一人の少女が何もない場所に話し掛けていた。
―――否。そこには確かに、存在した。人ならざる存在(モノ)が、人には視えぬ存在(モノ)が。
ソレは、少女の言葉にほうっと微笑んだ。
《ありがとう……。これで、やっと復讐が出来る……!》
少女には視えるソレは、恐ろしい狂ったような笑みを浮かべた。頬まで裂けた三日月のような口と、瞳孔の開いた眼は、人ならざるモノだと体現していた。
そんな恐ろしい形相のソレに、平然とした様子で、少女は再び口を開いた。
「……約束を反するのは、赦さない」
《ああ、分かっている……ただ、呪だけは送らせて欲しい》
首や腕等様々な箇所に、不自然な血糊の線をぐるりと付けた男のようなモノの懇願。少女は顎に手を当て、やがてそれくらいならば、と頷いた。
ホッと安堵したソレは、目を閉じ顔を歪め仁王立ちし………カッと目を見開き、身体から溢れた黒い霧のようなナニかをどこかに飛ばした。
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