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神崎瑞姫は、生まれつき不思議な力を持っている。今でこそ、本人と家族はちょっと変わった才能――スポーツや料理の才能と同列扱い――と捉えているが、これで大変な目に遭う事も少なくない。
瑞姫は、人ならざるモノ達を視る事が、触れる事が、話す事が出来た。そして何より、彼女は自然に好かれ、特に水に愛されている。
それを当然と勘違いしていた幼少期の苦い思い出を胸に、今は人に言わないようにしている。こうして親が信じ受け入れてくれているから、彼女は歪む事はなかった。これが幸運だと、彼女はよく理解している。
昨夜何をしたか、と言えば、瑞姫はその力を使い、とあるモノ(・・)を集めるため様々な霊を救っている。昨夜は、解決し霊から約束のモノ(・・)を貰ってきたのだ。
「ねーちゃ、みちゃい!」
「ん? いーよ」
姉が何をしているかはよく知らないが、紗姫はそれ(・・)を見るのが大好きだ。
キラキラと目を輝かせせがむと、瑞姫は左手を上げた。
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