光の中

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2日前、そんな会話があった。 なので僕は珍しく暇な日曜日に夏名先輩を自宅に招いてひたすら駄弁るという謎の催しで時間を過ごすことになった。 暇なのはいいし、夏名先輩が来るのも別に構わない。 冬乃に関して推薦で入学を決めているため、大学が始まるまで暇らしくたまにはのんびりするらしいし、男友達はみんなアルバイト。 ゆきなは恐らく自主リハビリだろう。 そんなわけで、冬乃によって手入れの行き届いたリビングにて、テレビを見ながら夏名先輩の来訪を待っているわけだ。 来る時間は10時頃らしく、今はその10分手前。 見る番組もないから適当にチャンネルを回している次第だ。 リビングの外、階段から音が鳴る。 朝食のあと、自室にこもっていた冬乃が出てきたのだろうか。 「……あなたを見てると休みの日のお父さんを思い出すのはなんでかしら?」 「僕も今の冬乃を見ると起き抜けの父さんの姿が目に浮かぶよ」 姉弟揃って父親似であった。 「あなた、もうすぐお友だちが来る頃でしょう?もう少しまともな格好したら?」 指さしで僕の服装を非難した。 今の僕が来ているのは部屋着の無地のロングティーシャツとジーンズ。 普通に地味だし、別に特別な人を呼ぶわけではないのだけれど。 いや、ある意味では特別かもしれないけれど。 そう考えていると玄関からチャイムの音が響く。 冬乃が反応して早足に玄関に向かって行った。 言わずもがな、夏名先輩の到着だろう。 それから玄関から少しだけ話声が聞こえてきて、冬乃が夏名先輩をつれて戻ってきた。 我が家の女性陣の背が高いからか比べてみることがなかったけれど、いくらか背の高い冬乃より少し高い背の夏名先輩。 白のボタンシャツに臼桃色のカーディガン、膝丈くらいの白を基調としたキュロットで身を包んだ夏名先輩。 と、その横に妙ににやにやしている冬乃がいた。 「おはよ、孝平くん」 「おはようございます」 「孝平も色を知る年頃なのね」 なんだその母さんみたいな言い方は。 普段はあまり表情が替わらないくせに、変なところで母さんに似ている冬乃はさておいて、僕は夏名先輩の鞄を受けとると壁にある荷物かけにそれを提げ、ソファに勧めた。
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