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「んで、今日はどうだったんだよ。保健室の天使様とは」 「別にどーも?」 「人に掃除押し付けといてそれかよ。ほんっと報われねー、俺」 はぁ、とヒロがため息をついたところでこの部屋の扉が開かれた。 入ってきたのはヒロのお母さんで、小さい頃からお世話になっている人でもある。 「結愛ちゃん、夕飯食べてくでしょ?なにがいい?」 「うん。食べる!あたし沙織さんが作った春巻が食べたいなぁ」 あれすっごく好きなんだと笑いながらいうと、沙織さんはにっこり笑った。 「ふふ、じゃあ張り切って作るわ」 「てか、おい。息子の俺には聞かないのかよ」 「だって弘人に聞いたら唐揚げっていうのわかってるのも。弘人の希望聞いてたら毎日唐揚げになっちゃうわ」 「はぁ、実の息子の扱い酷くねーか」 「だって結愛ちゃんみたいに可愛くないもの」 相変わらずいつきてもヒロの家は仲がいい、こんな親子関係が羨ましい。 だけど、それは口にしない。 そして沙織さんが部屋から出ていってた後、ヒロがこっちを見ずに静かに聞いてきた。 「最近....ちゃんと帰ってきてんのか、おばさん」 「....帰ってきてるよ。あたしが寝てるときっぽいけど、それで出てくのもあたしが起きる前っぽい」 あの人いつ寝てんだろうね。 そう、あたしは笑いながらいう。 そんなあたしに対してヒロは、なにもいわずにただ1回頭をポンと叩いただけだった。
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