2

6/12

43人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
* 「だからユーもいくのです」 「おまえちょっと待て」 「いーち。はい、ちょっと待っ....いったぁぁぁ!」 「これを自業自得といいます」 いつものチョップの3倍の力が込められていた気がする。 あたしはへっこんでないかなと心配しながら自分の頭をさする。 「いこうよー協力してよーヒーロー」 「嫌だよ。なんで俺が。あとヒロの発音が違う。それ英雄の方」 知ってるよ。わざとだよ。 「てかおれ以外にも友達はいるだろ。だから他をあたれ」 「........泣くよ。いいの」 「いいよ」 「そこは違うでしょ。折れるとこでしょ普通」 「あいにく俺は普通じゃないんで」 この男なかなかしぶといな。 しょうがない、ここは奥の手を使うか。 あたしはポケットからスッとある物を取り出した。 「お納めください....」 ヒロはあたしが差し出したものを見ると、カッを目を見開いた。 「こ、これは....!!」 よし。かかった。 「ララちゃんの限定ポストカード(声優さんのサイン入り)!!」 「これでどうにか....」 「しょうがねーな。幼馴染みの頼みだ。無下になんかしねーよ」 おい、顔がにやけてるぞ。 「ま、それにしてもよかったじゃねーか。夏休みに愛しの先生に会えて」 「1日だけだけどねー」 1ヶ月ぐらいあるうちのたった1日にしか先生に会えないなんて。 「夏休みに先生不足で死んだらどうしよう」 「頼むから俺のいないとこで死んでくれ」 このやろう....。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加