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* 学校に着くと、もう教室にはヒメがいた。 あたしは一目散にヒメのもとに駆け寄り抱きつこうとして、それを拒否され叩かれる。 「ヒメが!ヒメが冷たい!」 「もともと。気にすんな」 「えー。あたしは愛を求め続けます」 「遠慮します」 「なんかちがくない?」 まぁ、そんな感じのいつものくだらない会話をしてから本題を話し始めたあたしたち。 ちなみに昨日きたヒメからのラインはなにか先生と進展あったのかという内容だった。 だからどうにかデート?にこぎつけたことをあたしは喜々としてヒメに話す。 そしてそのことを聞いたヒメの反応は「へー」だった。 以前ヒメに言われたことがある。 「あんたの恋愛は応援してる。だけどその相手に私は一切関心がない」 ヒメの中で、教師はないらしい…。 あの時はむしろ、清々しかった。 あたしがその時のことを思い出していると、後ろから声をかけられた。 まぁ、あたしじゃなくて。 「あ、あの!井上さん」 ヒメになんですけどね。 「なに」 「えっと、今日の放課後とか時間ありませんか?」 「ある」 「そ、それなら俺とどっか放課後でかけませんか」 「いや」 わぁ、ヒメさっきから2文字しか喋ってない。 もうほんとこの対応はさすがヒメとしか言いようがないね。 今ヒメを誘ってる人なんて、隣のクラスのイケメンくんなのに、見向きもしない。 そのイケメンくんはあからさまにショックな顔をしながらすごすごと自分のクラスに戻っていった。 このクラスの生徒にしてみればヒメのこの行動はすでに見慣れたものとなっているのでたいして気にもとめられていない。 普通ならこんな態度は周りから反感を持たれるだろうがヒメに関してそれはあり得ない。 なぜならヒメが、井上姫華という名前にふさわしく、まるでお姫様の様に美しい外見をしているからである。 それは女のあたしが思わず見惚れるぐらいに。
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