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それからお昼が終わって、授業が終わって、あっという間にHRも終わった。 いつもならすぐさま保健室に向かうあたしだけど、真面目に掃除をする。 「どうしたんだ愛坂。今日は真面目に掃除して」 「藤崎先生こそどうしたんですか、ネクタイなんかつけて。いつもなら絶対つけないのに」 「教頭にいわれたんだよ。つけろって」 この人が教頭のいうことを聞いてるなんて。 いつも教頭になにかいわれても完璧受け流してる人なのに。 ちなみになぜあたしがそのことを知っているのかというと現場を見たことがあるからだ。 あの時はむしろ教頭に同情した。 そしてあたしは気づく。 「藤代先生にもいわれたんですか?」 「なんでそう思うんだ?」 「腐れ縁って聞いたんで。仲がいいんだと」 「陸が話したのか。まぁ、愛坂の予想どうりだよ。陸に怒られたんでな。上司の言う事はちゃんと聞けって」 「やっぱり、仲いいんですね」 藤崎先生は顔をくしゃっとさせて笑って、 「まぁな。親友だから」 といった。 * 「せんせー。なにかやることありませんか?」 「うーん。もう無いですかね」 仕事がないことが判明したので、先生とお茶会を始める。 これがやることがなくなった時のあたしと先生の過ごし方。 「おいしー!」 先生の入れた紅茶は本当に美味しい。 もう先生以外のは受け付けられないと思う。 そしてそのまま怪我や病気の生徒も来ないで時間が過ぎていった。 すると突然保健室のガラスの窓が叩かれる。 先生と二人で音のした方向を見ると、そこにはヒロがいた。 あたしはヒロが叩いた窓の方へ足を進める。 「何してんの」 「絆創膏くれ」 「え、怪我したの」 「拓哉と鬼ごっこしてたらこけた」 「ばかか。とりあえず消毒するから校舎から入ってきて」 「窓から入っちゃダメ?」 「校舎から入ってきて」 そしてヒロはあたしに素直に従って校舎から入って来た。
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