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終業式が終わり、学生が待ち望んでいるだろう、夏休みが始まる。 そんななか、あたしだけは絶望の中にいた。 「とうとう先生と会えなくなる日々が始まってしまう…」 「その先生の話を聞かなくなる日々が始まってくれるから嬉しいわ」 「え、何言ってんのさヒメ?ラインやら電話やらで話すに決まってんじゃん」 そうあたしが言ったときのヒメの顔はそれはもう酷いものだった。 周りの男子はそれを見て喜んでいたけれど。 ……男子ってSな女の子のほうが好きなのかな? 「それは人によるだろ」 あたしの思考を読んで発言したのはヒロ。 長い間あたしの幼馴染をやっているだけある。 「お前が口に出してるだけだけどな」 「知ってるよ。バカ。それを認識できないほどあたしはヒロじゃない」 「結愛。バカの代わりに山中の名前を使うなんてなかなかやるじゃない」 「やった!ヒメに初めて褒められた!!」 「なぁ、知ってるか?お前ら両方共だいぶSだぞ」 ヒロが登場したときに行われる一通りの流れをやり終わったところで話が元に戻る。 「私も山中の言う通り、そういう好みは人それぞれだと思う」 「あー。先生はどういう人が好きなんだろうーーー!知りたい」 「聞けば」 「ヒメ、聞けたら始めから聞いてるよ…」 そんなこと聞いたらあたし、心臓発作でも起こって死んじゃうかもっていうと、ヒロとヒメが揃って面白いじゃんみたいな事をいってきたから、この二人も大概ひどいと思う。
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