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長い髪をゆるふわに巻いて。
アイメイクはそこまでしない。
仕上げにあたしの好きな、ピンク系のグロスを塗って。
家を出る前に玄関の鏡でもう一回確認。
鏡の前でくるっと回って、うん完璧。
今日ついてきてもらうお隣さんのヒロの家に行って、インターフォンを鳴らす。
出てきたのは沙織さんで、あたしのカッコを見て、抱き着かれた。
「さ、沙織さん？どうしたの？」
「かわいい！！結愛ちゃんほんとかわいい！」
その言葉に嬉しくなって思わず笑った。
「あ、ヒロ準備できてる？」
「うーん。多分もう少しだと思うわ」
その直後に家の中からドタドタ階段を降りる音が聞こえて、ヒロが出てくることが分かった。
扉が開いて、目が合って、ヒロの目が一瞬大きく開かれて、またいつもの感じに戻る。
そしていわれた。
「女のメイクは詐欺ってほんとなんだな」
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