43人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
あたしの右を歩くヒロの赤い左頬はこっちから丸見えで、とても痛々しい。
けれど、間違えないで欲しいのはヒロの左頬を赤くしたのは沙織さんだ。
さっきヒロがあたしに暴言?を吐いたあと、ものすごくいい音がした。
そしてすぐに。
「てめぇ。なに結愛ちゃんにそんな口聞いてんだ。そんなヤローに育てた覚えはこっちはねぇんだよ!!」
という、聞いたことも無いような低い声が沙織さんの口から出てあたしは恐怖に襲われた。
いや、まぁ、聞いたことあるけど、過去何回か。
ちなみに沙織さんは、元ヤンです。
今は立派に優しい主婦やってますが、元ヤンです。
「いってぇ、マジあのババァ本気で殴りやがって。まじくそいてぇよ」
「沙織さんはあたしの味方だからね。しょーがない」
「なぁにがしょうがないんだっつーの。調子いいな、お前」
最初のコメントを投稿しよう!