43人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
少し、申し訳そうにしている先生を見て、どうしようもない感情がこみ上げて。
また、この人を好きなんだと自覚する。
それの繰り返し。
「いえ、大丈夫です。あたし達いま来たばっかりですよ」
「ならよかったです。あぁ、挨拶が遅れましたね。おはようございます。愛坂さん」
「はい、おはようございます」
笑いながらそういうと、あたしは軽く頭を叩かれた。
叩いてきた方を向くとそこにいるのは、あたしの天敵、ではなくて。ヒメの天敵だった。
「おい、愛坂。こっちの先生には挨拶どころか気付きもしないのか」
「藤崎先生、無理っすよ結愛がきづくわけないじゃないですか」
「ったく。山中はすぐに気付いて挨拶したっつーのに。ほら、挨拶しろ」
「…藤崎先生おはよーござーいまーす………なんでいるんですか」
あたし的に後ろの言葉はボソッといったつもりなんだけど、藤崎先生には伝わってしまったらしく、キツイ視線を向けられた。
あぁ、こわいこわい。
最初のコメントを投稿しよう!