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「あ、そうだ、藤崎先生」
「お、なんだ?」
ずっと口を閉ざしていたヒロが急に藤崎先生に話しかけた。
「さっき本屋見つけたんですけど、ちょっと古典の参考書選ぶの付き合ってくださいよ」
「…まじかよ、だりーな」
「そんなこと言わないで、さー行きましょー」
あまりにも急な展開にあたしは戸惑っていたがヒロが藤崎先生を連れ出す途中であたしをチラッと見てきたから、なんとなく理解した。
あたしと先生を二人にするためにヒロは嘘をついたのだ。
そんなヒロの心遣いに感謝して、あたしは先生に話しかけ始めた。
マグカップを選ぶために尋ねる質問の合間にちょっとずつ、休日は何をしてるのか、今やってるドラマについてとか。
本を読むよりも漫画が好きで、ニュースよりもドラマが好きで、猫よりも犬がすきで。
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