43人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
*
「どういうつもりなんですか」
結愛たちといた店を出て、少ししてから俺はそう話を切り出した。
「なんのことだ」
「惚けないでくださいよ。あの店にいた時のあんたの行動はどう見ても不自然だろ。2人が喋りだすと露骨に邪魔してたくせによ」
「おーい、敬語崩れてんぞ」
「結愛の邪魔するやつには敬語なんていらねー」
藤咲はそんな俺の態度を鼻で笑った。
「青春してるねー」
「…あ?」
あからさまに馬鹿にしたような態度に、思わずそんな言葉が出てきてしまう。
「一応言っとくが、俺らは教師だ。もしだぞ、あいつらに間違いが起こってみろ。それがバレたとき、責任を取るのは陸だ。もちろん愛坂のやつも苦しむはずだ」
「……わかってるよ、んなこと。だけど、結愛が望んでんだ。俺は…それを、叶えたい」
いつの間にかに、握り締めていた拳にさらに力が加わり、爪が皮膚に食い込んだ気がした。
最初のコメントを投稿しよう!