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「遅いですねー。ヒロと藤咲先生」
「ですねぇ」
お店から出たあたしたちは、そんな会話をしていた。
けれど夏の暑さは強敵で、日当たりの良いこの場所には、日差しがジリジリと刺さる。
一言でいおう。
暑い。
ほんの少しの間そこに立っていただけで、背中に汗が静かに伝うのがわかった。
あぁ、さっき通った時に見たジェラート屋さんのストロベリーが食べたい……
「暑いですねぇ…」
先生はそういうと急に何かを思い出したかのように、顔を横に向けて、あたしの顔をみた。
「愛坂さん、甘いものは得意ですか」
「得意…というか、大好きですよ?」
あたしの言葉を聞いて先生は一気に顔を明るくさせる。
「じゃあ、ジェラート、食べません?」
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