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少しそんな妄想というかなんというか。
先生の言葉に浸っていたあたしだったが、あたしを呼ぶ声が聞こえて、意識を戻した。
「愛坂さん」
「…あ!はい。なんですか?」
「その…大変言いにくいんですが…」
「ど、どうしました?」
「えっと、愛坂さんのアイス、一口貰えませんか?」
……は、はい?
もうその無自覚の天然ほんとやめてほしいんですけど。
オトナのくせに、教師のくせに、そんな、少し顔を傾けて、甘えるような言葉を言うなんて。
「ずるい……」
「ですよね、やっぱ食べたいなら自分でもう一個買うべきですよね…」
「あ、いや。そうじゃなくて」
あぁ!もう!!どーとでもなれ!
「せんせ、一口、どうぞ」
お願いです。先生。
きっと、すごく赤いであろうあたしの顔を、見ないでください。
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