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さっきの女子生徒達がいなくなって、いま保健室には先生とあたしの二人きり。
季節は夏なのに、この部屋は空調が効いていて涼しい。
「せんせー、もうすっかり夏ですね」
「そうですね。もうすぐ夏休みですし。楽しみですか?」
「んー、どうだろ」
そんなことをいうけど、実際は全く楽しみじゃない。
だって、先生に会えないんだもん。
でも、そのことをあたしは決して口にしない。
「先生は楽しみ?夏休み」
「僕ですか....?特に予定もないですしね....」
困ったように笑う先生の笑顔にもきゅんと、いやぎゅんとなる。
この胸のときめきはいつになったら止むんだろう?
まぁきっと、止むことなんて無いんだろうけど。
「あー、でも....」
「....でも?」
「愛坂さんと夏休み中はなかなか会えなくなるから、寂しいですね」
あー、もう。
ほんとにこの人は....。
どこまであたしを惚れされるんですか。
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