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「……」
無言の向坂に、意地悪したくなった。
抱き締めたまま、髪を撫でて、首筋に優しくキスをする。
「やっ…」
「好きだ…」
そのまま耳の後ろに唇を移動させる。
観念したのか、向坂は顔を赤らめながら小さな声で呟いた。
「…私も…好き」
ドクン
嬉しくて、幸せでもう一度催促したくて抱き締める。
「聞こえなかった、もう一回」
顔を除き混めば、真っ赤に染まって潤んだ瞳に理性が飛びそうになった。
「……もう」
ドクン
「ははは…
嘘だよ、聞こえた」
照れ笑いしながら、自分に言い聞かせるように話した。
これ以上近づいたらダメだと自分の中で危険信号が鳴る。俺は、ばっと体を離した。
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