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図書館でキスしていた光景を思い出す。
胸がぎゅっとする想いと、でも確かめたい気持ちが交差する。
「…そういえば、サッカー部のアイツとさ、なんかあった?」
「…え?」
驚いたように、こっちをみる向坂。
「…いや、その…前に図書館で……」
キスとはさすがに言えず、苦笑いしながら向坂に回りくどく伝えてみた。
「…へ?」
なんのことと言わんばかりの顔に苛立ちを覚えて、思わず口走ってしまった。
「だから!キス…してなかった?」
「ええええ?!
…しっ、してないよ」
動揺する向坂に追い討ちをかけたくなる。
「見たんだ、この間
アイツとくっついてるとこ」
「本当に、してないよ!」
「……」
必死な向坂が嘘をついているとも思えず、疑問は深まるばかり…
すると、向坂が口を開いた。
「…あっ
もしかして、あの日?
篠崎くんが窓から出ていった日かな?
私、転びそうになったところを敦に助けてもらった…けど…」
「へ?」
「それ?勘違いしたんじゃないの?」
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