16話**暑い夏

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図書館でキスしていた光景を思い出す。 胸がぎゅっとする想いと、でも確かめたい気持ちが交差する。 「…そういえば、サッカー部のアイツとさ、なんかあった?」 「…え?」 驚いたように、こっちをみる向坂。 「…いや、その…前に図書館で……」 キスとはさすがに言えず、苦笑いしながら向坂に回りくどく伝えてみた。 「…へ?」 なんのことと言わんばかりの顔に苛立ちを覚えて、思わず口走ってしまった。 「だから!キス…してなかった?」 「ええええ?! …しっ、してないよ」 動揺する向坂に追い討ちをかけたくなる。 「見たんだ、この間 アイツとくっついてるとこ」 「本当に、してないよ!」 「……」 必死な向坂が嘘をついているとも思えず、疑問は深まるばかり… すると、向坂が口を開いた。 「…あっ もしかして、あの日? 篠崎くんが窓から出ていった日かな? 私、転びそうになったところを敦に助けてもらった…けど…」 「へ?」 「それ?勘違いしたんじゃないの?」
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