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言われてみれば、二人が寄り添っていたのは見えたものの、キスしていたかどうかまで見えず、予想でしかなかったことを思い出した。
「……」
「ちょっと…」
無言になった俺を横目に、向坂は顔を赤らめながら、プイッとそっぽを向いた。
「…したことないから」
ドクン
嬉しくて、一気にテンションが高くなる。
「…そっか」
口元が緩む。
嬉しくて、向坂に近づきたくなった。
(…手をつなぎたいな)
ドクン
ドクン
そっと手を伸ばすと、向坂の手に触れようとした。
その時…
「篠崎ー!」
びくっ
驚いて、勇気を出して近づけた手を引っ込めた。
見れば、水川の姿。
「よかったねー、篠崎くん♪」
にやにやとしながら、俺たちを微笑ましそうに見ていた。
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