16話**暑い夏

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「うわっ…」 俺の声とは反して、向坂の通る声が聞こえた。 「水川くん…」 向坂の嬉しそうな声にびっくりして、二人を交互に見つめてしまった。 「…ありがとうね」 照れながらはにかむ笑顔を見せる向坂。 ドキン (…可愛い じゃなくて! そんな顔を他の人に向けないでほしい…) 剛の想いは虚しく、向坂は照れ笑いを続けた。 水川もデレデレしているように思えた。 「……」 水川の登場に苛立ちを覚えながらも、きっかけをくれたのは彼だったと思い出し、強く出れないでいた。
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