3話**向坂まどか

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今日も練習の一日が終わり、みんなは帰り支度をして次々に部室を出ていった。 渡瀬は一番早く「お疲れ様です」と慌ただしく出ていった。 (きっと、沢村と会うんだろう…) 考えただけで胸がちくりとした。 「篠崎! これからファミレス行くけど、いくー?」 仲の良い、水川が声を掛けてきた。 「いや、悪いけどやめとく」 断ると、分かったと笑顔で返事が帰ってきた。 「お先ー」 集団でごそっといなくなると、部室には一人しかいなくなっていた。 しんとなった部屋は、さっきまで人が賑わっていたとは思えない空間となっていた。 「…帰ろう」 独り言がやけに響く。
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