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今日も練習の一日が終わり、みんなは帰り支度をして次々に部室を出ていった。
渡瀬は一番早く「お疲れ様です」と慌ただしく出ていった。
(きっと、沢村と会うんだろう…)
考えただけで胸がちくりとした。
「篠崎!
これからファミレス行くけど、いくー?」
仲の良い、水川が声を掛けてきた。
「いや、悪いけどやめとく」
断ると、分かったと笑顔で返事が帰ってきた。
「お先ー」
集団でごそっといなくなると、部室には一人しかいなくなっていた。
しんとなった部屋は、さっきまで人が賑わっていたとは思えない空間となっていた。
「…帰ろう」
独り言がやけに響く。
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