201人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
とぼとぼと歩く、帰り道はなんとも切なくて、学校に誰もいないと思うと不気味にも感じた。
(暗い学校って怖いな…)
シーンとした道を急いで歩いていると、前に黒髪の長い人影が見えた。
「…っ!!!」
声にならない声を思わずあげる。
(お化けだ!)
思いっきり走り出すと、黒髪の長い人影が振り返った。
全速力で横を走り去った。
「篠崎くん…」
通りすぎた後に、耳に残った声をもう一度頭のなかで繰り返す。
『しのざきくん…』
「え?」
恐る恐る足を止めて、振り返れば、向坂まどかがこちらを見て立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!