4話**約束

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「今日も家まで送ってもらっちゃって…ごめんね」 「ううん、じゃーな」 剛は後ろを振り返り、歩き出した。 (暑いなぁ…) じんわりと汗が顔に滲む。 でも、こんな帰りかたも悪くない。遠回りも苦痛に感じない。 不思議だなぁ…と、物思いに更けながら歩いていた。 タッタッタ… 突然、足音が近づいてきて、振り替えれば息をきらした向坂の姿があった。 「篠崎くんっ」 驚いて振り返れば、向坂の手にはアイスキャンディが握られていた。 「向坂…?」 「これ、あげる」 アイスキャンディを差し出された。 「えっ」 「暑いから…」 はぁはぁと息をきらして、アイスキャンディを手に持っている向坂を見て、つい顔が緩む。 「ありがとう」 見ると、アイスキャンディは溶け出していた。 「本当に、暑いな…」 「わぁー!ごめんね!溶けてる」 慌てる向坂がおかしくて、また、口許が緩んだ。
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