4話**約束

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向坂の困った顔が可愛くて、つい笑ってしまう。 溶け出したアイスはポタポタと垂れた。 「…なんか、ごめんね」 「いーよ」 アイスを口に含めば冷たくて、甘かった。 「おいしーよ、ありがとな」 にこっと微笑むと、向坂も笑顔になってはにかんだ。 「じゃーね」 そう言って向坂は家に向かって走っていった。 しばらく向坂の後ろ姿を見つめたあと、剛は帰り道を歩きだした。 ベトベトのアイスを食べながら、向坂まどかを無意識に思い出す。 (アイス、ありがと…) お礼をメールしようと、おもむろに携帯を出した。 そして、ハッとする。 (アドレス、知らないんだった…) もどかしい気持ちを抱きながらも、彼女のいろいろな表情を思い出し、明日も会いたい…と思っていた。
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