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勢い良く頭を下げると頭上から笑い声が聞こえた 怖ず怖ず顔を上げると腹を抱えて笑う真壁先輩がいた 「ククッ…面と向かって褒められたのも初めてだが…他人の言葉に心を動かされたのも初めてだ」 「へ?…っ」 笑いながら俺の髪をクシャリと撫でた真壁先輩は再び歩き出した 「綾部、お前気に入った」 「え?あ、ありがとうございます…?」 中央棟に続く渡り廊下の途中で止まった真壁先輩はまた俺の頭に手を置いた 「いいか、工業科棟以外でお前に会ったら俺はお前を無視するからな」 「え?」 「一応俺はキングだからな、1人の生徒を特別扱い出来ない」 「…わかりました」 そうだよな…変な噂立っても困るし 「じゃあな…綾部」 にこやかに笑った先輩は俺の髪をクシャリとかき混ぜて工業科の棟に戻って行った 「……」 真壁先輩が触れた頭に無意識に触れ中央棟に戻る 「綾部?」 「あ…藤堂」 教室前で背の低い進学科の先輩と話す藤堂が眉を下げて近づいてきた 「どこ行ってたの?担任が探してたよ」 「ちょっと道に迷って…?」 視線を感じて藤堂の後ろを見ると進学科の先輩が俺を睨んでいた 「…じゃあ、俺は教室戻るよ」 「うん…」 あの先輩怖いな…
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