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俺は、味方になると思っていた杏が九王さん達についた事に不貞腐れていた。
ファミレスの前の道路に出て歩いていると後ろから、小さい足音がするので振り返ると、ヒロ君が走って追いかけてきていた。
「ヒロ君?どうしたの?」
ヒロ君は追いつくと毎回頷くだけだったので、この時初めて声を聞いた。
「…杏ねぇちゃんが泣きそうだったよ?人泣かしちゃダメなんだよ?」
これと同じ内容を九王さんや自称大家が言ったなら、あまり気にせずすぐに帰って後から電話しただろう。
が、初めて喋ったヒロ君が泣きそうな顔で服の袖を引っ張って言ってくるのだ。
渋々ファミレスに帰る。
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