訳の抱える訳

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俺と天の挨拶や天がお箸を使う事が綺麗にでき始めた頃、天が少しずつ変わりはじめた。 一つはずっと片言の喋りだった天がしっかりと言葉を発するようになった。 二つ目は、奈良さんがとあるお寺に頼んで天が外出出来るようになった。 ずっと片言で、 「うん」「いただきます」「美味しい」 などを呟いていたが、 「杏ねぇちゃんありがとう」 「ヒデにいちゃん臭い」 「お休み杏ねぇちゃん」 「ヒデにいちゃん気持ち悪い」 と、しっかり喋るようになった。 微笑ましい限りだが、俺に対して全部悪口な気がする。 あと、天は今まで外出が出来なかった。 理由は消えてしまうからだ。 魂がじゃない、姿が…だ。 姿が消えると探せなくなるし、天が力を自制しなければ怪奇現象がいたる所でおきてしまう。
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