7人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはようございまーす」
「あ、遠藤さんいい時にきたわね。
……この資料今日中にまとめて頂戴」
雑誌の締切が迫る頃の会社は戦場だ。
新人さんもベテランさんも関係なく動きまわっている。
そんな中遅刻できるアタシはどこかおかしいのだろう。
自分の席に座って、先ほど渡された資料の山に目を通す。
…あ、この旅館いいなぁ。
と思っていると、隣から声を掛けられた。
「陽菜ちゃんまた遅刻ですか?
そのマイペースさ、本当尊敬です」
「あぁうん。
アタシにもいろいろあるから…」
「川村さんなんか朝からめっちゃ怒ってましたよ。
“遠藤まだかー”って」
「…あはは、そうなんだ。
あとで謝っとかないと」
「それがいいですよー」
アタシの隣の席に座るこの子は、河西美央(カサイミオ)。
天使のようなたまご肌をもつキュートな女の子だ……って本人が言ってたと思う。
確かに可愛い。間違いない。
そして誰にでも敬語を使う、ちょっと変わったアタシの同僚兼親友。
最初のコメントを投稿しよう!