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アタシの名前は、遠藤陽菜(エンドウヒナ)。 太陽のように明るい子に育ってほしいと両親が付けてくれた名前。 この名前は好きだけど、アタシは両親の望んだ明るい子にはなれなかったみたい。 ……ごめんね、お父さんお母さん。 高校を卒業してすぐこの町で一人暮らしをして、もうすぐ6年。 なのにアタシのこの部屋は、驚くほどに物が無い。 そんなに家にいる事がないから、ある物は必要最低限の物だけ。 人を連れてくると驚かれるくらいに。 「もうこんな時間、か」 女の子らしい物なんて数えるほどもないアタシの部屋に不釣り合いなピンクの時計を見て、呟いた。
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