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正樹はややこしい説明を頭の中で整理し、腕組みをしながら真剣に姫子の目を見て聞く。
「あなたの命を奪うということはこれからつくられる思い出を奪うということ。
ならば、これからの人生に価する過去の思い出、苦痛だった今までの人生を良いものに塗り替えることが出来る。どう？過去でやり直してみない？
未練無いって自分で言ってたけど本当はちょっと残ってるでしょ？」
「…思い出、か……。
本音を言えば戻りたいけど…。
そんなこと、可能なの？」
「うん。この川から見える映像は葛城くんの記憶。戻りたい場面がある場所に飛び込めばその時間に戻れる。ただし、時間制限があるの。期限は三日間だけ」
「…三日でも戻れるのなら嬉しいな。
あー、死んで良かったかも！」
ぐん、と背伸びをして体をリラックスさせてから深呼吸をした。
ゴミ一つ無い綺麗すぎる空間。
空気を吸い込めば吸い込むほど体の中に溜まっていた汚いものが真っ白なものに取り替えられていくような感じがする。
四方八方から受ける不思議な温かい風。
とても心地が良い。
「じゃあ、戻る？」
「おう。できるのはならば…修学旅行の一日目に頼む！」
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