◇第一章◇

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「久しぶりやねぇ。久しぶりって言っても葬式以来か…」 ふと悲しそうな顔をする叔父さんだったが笑顔に戻りにこにこしている 叔父さんは三嶋賢一【ミシマ ケンイチ】という名前で母の弟である 山奥の村で独り暮らしをしているらしい 灰色がかった髪の毛を後ろでひとつ結びに結んでいて 髭を剃らずに無造作に生えたままの顔に Tシャツを肩まで捲り日に焼けた腕を出してがっしりとした筋肉が浮き出ている 髪は灰色がかっているが四十代には見えない 「はい、そうですね…」 俺は神崎 真琴【カミサキ マコト】 ちょうど一週間前にトラックと俺と両親を乗せた車がかなり衝突し炎上したらしいのだがトラックと衝突した辺りの記憶がすっぽりと抜けている 気が付いたら病室のベットの上で寝ていた *
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