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◇第一章◇
空が赤く染まる頃…
黒い服を身に纏い3人の女達が話をしている
「可哀想に…」
「両親二人とも亡くなったんでしょう?」
「トラックとの交通事故だったんでしょ?あの子だけ無傷だったらしいわ」
「でも、車はかなり炎上したって聞いたわ」
「奇跡に近いわね…」
『奇跡なんて存在しないよ』
急に聞こえた風のように通りすぎるような声
「…え?」
「今、誰が言ったの?」
「私じゃないわよ」
3人の女は辺りを見渡したが周りには誰もおらず
電信柱の上のカラスが女達を向いてカーと鳴く
「じゃぁ…誰が言ったの…?」
バサバサと翼をはためかせながらカラスが暗くなってきた真っ黒な空に向かいまたカーと鳴いた
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