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***
ーーところ変わって天瀬家in朱菜の部屋の前ーー
三人は緊張した面持ちでいる。
いよいよ作戦決行。
「ただいま。
朱菜、入っていいか?」
ドア越しに大志は朱菜に話し掛ける。
「……誰にも会いたくないの。
ほっといてよ」
やんわりと断られる大志。
「駄目でした。
テヘッ」
くるりと振り返り茶目っ気たっぷりに大志は舌をペロリと出した。
「……ソッコーで撃沈じゃないか」
玉砕した大志を見て菜唯人は思わず頭を抱えた。
「テヘッじゃねぇよ。
テヘッじゃ。
朱菜ちゃんに会えないなら元も子もないじゃねぇかよ」
さすがに漣も呆れている。
「朱菜ぁっ!」
ガチャ
何と有無を言わずに菜唯人は朱菜の部屋のドアを勢いよく開けた。
「キャッ!
な、菜唯人ぉ!?」
菜唯人の侵入に驚いた朱菜は反射的にベットから飛び起きた。
「強行突破かよっ!?」
思わず漣はつっこむ。
「俺の妹に何してるんだよっ!」
いきなりの菜唯人の行動に大志は焦る。
「出ていってよ!」
てんやわんやな野郎ご一行に朱菜は怒鳴る。
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