ミッションスタート?

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「そこは否定するんだな」 ジーッと菜唯人は漣を見ている。 「オイッ!」 今度は漣が菜唯人につっこむ。 素晴らしいコンビネーションである。 「フツーにバイトすればいいのに」 今まで黙っていた大志が口を開く。 「まぁ、時給がいいからな。 今ちょっと金が必要でな」 苦笑いしながら漣は答える。 「珠緒知ってるの?」 朱菜は一番気にかかっていた事を尋ねた。 「言えるわけない。 ある意味サプライズだからな」 真面目な顔で漣は言う。 「サプライズ?」 意味がわからず朱菜は聞き返す。 「そのうちわかるよ。 悪いが珠ちゃんには内緒な」 一瞬漣の方をチラリと見て菜唯人は言う。 「わかったわよ」 意味深な菜唯人の顔を見て朱菜はあえて深くは突っ込まなかった。 「誤解とけてよかったな」 ポンポンッと漣は菜唯人の肩を叩いた。 「お前が言うな」 漣の手を払いのけ菜唯人はため息をついた。 「結果オーライ……かな」 三人の様子を見て大志はにんまり笑った。 「さて、帰るかな」 一件落着し、漣はホッとしたらしい。 「途中まで送るぜ」 菜唯人は漣に言う。 「おう。 わりぃな」 菜唯人の計らいに漣はニッと笑う。 「じゃあな!」 漣は朱菜と大志に手を振った。
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