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「(たまにはまともなのね)」
菜唯人の優しさに朱菜は嬉しくなった。
「でもさ、金は天下の回りものっていうだろ?」
しれっと漣は言う。
「(あーあ。
菜唯人のフォロー台なしだわ)」
漣の言葉で朱菜の気持ちが崩れてしまった。
「……使い方間違ってるし。
はっ!
漣!
隠れろ!」
菜唯人は急に顔色を変えた。
「あ?」
意味がわからず漣はきょとんとしている。
ガバッ
菜唯人はいきおいよく漣に抱き着いた。
「うわっ!
てめぇ、何血迷ってるんた!」
抱き着かれた漣は本気でビビっている。
「あんびりーばぼー!!」
衝撃映像に朱菜は驚きを隠せない。
「……見損なったわ、菜唯人くん」
何と三人の背後から珠緒の声が聞こえてきた。
「た、珠緒!?」
驚いた朱菜は声が裏返った。
「たまたま見かけたから声かけようと思ったけど朱菜の前で浮気とかサイテー」
珠緒は菜唯人を思いっきり軽蔑視している。
「…………」
珠緒の言葉を菜唯人と漣は抱き合ったまた黙って聞いている。
「違うのよ、珠緒」
『このままではマズイ』と思った朱菜は弁解しようとする。
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