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色鮮やかな人波の中、流されるようにふらふらと歩く。
溢れるさざめきはどれも楽しげで、心はより一層静けさを増す。
燃え上がる術を忘れた恋の火種は、風前の灯火。
宵闇に響く重低音と、勢いを増すさざめき。
風を切る音と共に、白い茎を伸ばした火種は、刹那の煌めく華を咲かせる。
見上げていたかったのは……君の横顔なのに。
華々しく彩る夜空を見上げ、自然と溢れる涙は、胸に宿る残り火を静かに消していく。
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