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「さっすが悟っ!
ありがとう!
お前なら了承してくれると信じていたよ。
じゃ!放課後な!」
そう言うと省吾は教室へと走り出した。
全く…せわしねーやつだな…
しかし…召喚とか… はぁぁ… 考えただけで疲れるな。
悟は肩を落としながらトイレからでると扉を閉め、教室へと戻る。
放課後が憂鬱だ…
などと考えていると授業開始のチャイムがなり始めた。
なっ!?あいつ!
それで走ったのか!!
悟も慌てて教室へと走り出した。
トイレから教室までの距離は徒歩にして五分… 走っても一、二分はかかる。
間に合わねー!!
顔面蒼白状態で廊下を駆け、なんとか一分弱でたどり着いた。
ガラガラガラ。
バタンと勢いよく扉を開け教室に滑り込み息を切らす。
そんな状態で教室に入れば皆の注目は悟に集中するのも無理は無い。
静まり返る教室に悟の吐息だけが響き渡る。
「ハァハァ…。すいません。
遅くなりました。」
「遅かったな。
座れ。」
「はい。」
教師の言葉に従い席に戻る悟。
そんな悟を他の生徒はクスクス笑い教室はざわめきだす。
チキショー…省吾のやつ…
キッと睨むように悟は省吾を見ると省吾は両手を合わせ頭を下げている。
どうやら謝っているらしい。
だがこの現状をどう許せばよいか解らずとりあえず舌打ちをしてみるのであった。
そして、その日の放課後。
「ふぁ~。終わったぁ帰るか。」
「悟ぅ!!さぁ帰ろうか!」
教科書を鞄にしまい、帰ろうとする悟に省吾はフライングボディアタックをかますかの様に飛びかかり、悟の肩を強打する。
「うわっ!いってぇ!!
何すんだ!!」
ぶつかった拍子によろめき尻餅を着き省吾に対し怒鳴ると省吾はニヒッと笑い、尻餅をついた悟に手を伸ばしている。
「悟君!なにかわすれてやしないかい?」
「……あ…」
そう言えば悪魔召喚やるんだったっけ?
悟は省吾の手をつかみ起き上がると服の汚れを払い大きなため息をつく。
「はぁ~。やっぱ行かなきゃ駄目?」
「バカ!当たり前だろう!!
さぁ!行こう!」
「ちょっ!?お前何すんだ!おい!」
省吾は悟の襟首を掴むとそのまま引っ張るように連れていった。
悪魔召喚など出来るのか?
話は始まったばかりである。
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