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「悟!?」
「ふぉっふぉっ。足元が滑りやすくなっておるから気を付けなさいよ。」
突然転んだ悟に驚き目を丸くする省吾と悪意のある目でニタニタ笑う省吾のじいさん。
悟は何が起こったのか解らずぼーっと天井を見ていると天井がパカッと開き、人形の様なものが悟の上に覆い被さる。
「ぎゃーす!?」
あまりの出来事に悟はそのまま意識を失うのでたった。
「おい!悟っ!悟っ!
じいさん!やりすぎだ!!」
「ふむ…ちょいと刺激が強すぎたかのぅ…」
それから30分後…
「とる…。おい!…さとる!…起きろ!!」
「うっ、つぅー!
ん?ここは?」
目を覚ました悟は辺りを見回し首をかしげる。
どうやら悟はどこかに運ばれたらしい。
そこは本棚で囲まれた部屋で左右に窓が二つあり、右側窓の前に豪華な机が置いてある十二畳ほどの部屋。
どうやらじいさんの研究用書庫らしい。
本棚にある本は全て悪魔に関する本だと思うと不気味に思える。
そしてどうやら悟が気絶していたのはその部屋の真ん中の様だ。
明かりが消されているので良くは見えないが悟の回りを何か大きな燭台の様なものが六本置かれている様だ。
「んー。もしかしてここ…魔方陣の中?」
「正解!
早く始めようぜ!!」
省吾は左右の窓を開け、悟を囲む燭台に日をつける。
「ちょっ!?何故窓をあける。
」
「ガラスが割れたら後が面倒だろ?」
一理ある。
召喚の衝撃で窓ガラスが割れれば怪我をするかも知れない。
だがそれは召喚出来たらの話であり、絶対にあり得ない。
ただ寒いだけだろ… だが省吾がそれで気がすむならと悟はアハハ…と苦笑いをする。
「とりあえず悟はこっちの方へ来い。
生け贄になっちまうぞ。」
「あぁ…今いくよ。」
頭を擦りながら起き上がると省吾の声がした方へ歩み寄っていった。
「よし!始めよう。燭台に火をつけるぞ。
悟はこれを持ってくれ。」
省吾になにやら剣の様なものを渡され、悟はそれを両手で構える。
剣を持つ手になにやら懐かしい感触を感じる。
剣にしてはなにやら軽いしグリップもざらざらしている。
これはもしや…
そう思った悟は剣を床に叩きつけてみた。
パシパシっと割った竹を纏めて叩いた音がする。
これはもしや…
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