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櫻庭教官は大盛のカツカレーを軽々たいらげてから、「……そういや、所属は明日発表だったか」と口を開いた。いつの間にか私は隊長格含む正規隊員達に囲まれている。
「はい、明日です」
それを聞いた稲葉副教官は、「まあ、不安はあるだろうが、お前ならどこ行っても大丈夫だろ」と私の肩をバシンと叩いた。
「【鬼教官】にしごかれてきたわけだしねぇ」
ユキ教官が鬼教官、を強調して櫻庭教官の方を見つめる。櫻庭教官は咳払いをしてから、「稲葉の言うことには一理ある」と言葉を漏らした。
「お前は無能だが、その折れない根性だけは認めてやる」
無能、という単語が心に突き刺さる。そんなにストレートに言わなくても、と思ったが、私は素直に「ありがとうございます」と頭を下げた。
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