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「あれ? そういや、もう午後の座学始まるんじゃないか?」
稲葉副教官の声に、私は壁の時計を確認して飛び上がった。
「で、では私はこれで失礼します!」
教官達に敬礼をして、大急ぎで食器を片づけてから、食堂から座学が行われている教室まで全力で走る。最後の日の座学で遅刻だなんて冗談じゃない。
走りながら、私は自分がなんのために鬼狩に入隊したのか考えていた。
私の目的は三つある。
一つ目は、お姉ちゃんの仇を討つために、あの白いフードの男のことを調べること。
二つ目は、助けてくれた鬼狩隊員に礼を言って、短刀を返すこと。
三つ目は、自分のように悪鬼に襲われている人間を助けることだ。
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