第零章

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『ユウイ、お姉ちゃんね、鬼狩の入隊試験合格したんだよ! 卒業したら鬼狩の訓練生になるんだよー!』  そう嬉しそうに、お姉ちゃんははしゃぐように笑っていた。私とは違う綺麗な青い髪に、赤い瞳をした美人で綺麗な私の自慢のお姉ちゃん。  当時学園の初等部だった私は自分のことのように嬉しくて。同じようにはしゃいで、私もお姉ちゃんと同じ鬼狩隊員になるー、だなんて言って。  お姉ちゃんは、私にとって大切な家族で。お姉ちゃんと離れるのは寂しかったけど、私はお姉ちゃんがあの悪鬼を討伐してくれる正義のヒーローみたいな鬼狩で活躍してるって考えるだけで嬉しくなった。  でも、事件は起きてしまった。お姉ちゃんが学園卒業を間近に控えた頃に、起きてしまったんだ――。
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