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「今日の日替わり定食は……ん?」
鯖の西京漬けらしい。
「おい、マジかよ……魚かぁ……」
優羽はその高い位置にある肩を落として情けない嘆き声を発しながら食堂の券売機へと向かう。
「席とっとくからな」
うぃー、と無気力な返事を聞きながら食堂の席を探す。
お、運がいい、角席が空いてる。
その席に素早く荷物を置き確保。
そして、持参した弁当を鞄から取り出して優羽を待つ。
「あ、孝雅!!」
「げっ……」
俺の名前を呼ぶ女子生徒の声。
声の主は長い黒髪を後ろで束ね、透き通るような色の白い肌を持ち、整った顔立ちをしている。
いわゆる、美少女。
その生徒は俺のところまで急ぎ足で来る。そして……。
ーーガンッ
脳天に強い衝撃が加わり、一瞬記憶が飛びそうになる。
「いってぇ!?」
こいつ、目の前に来るや否やげんこつ食らわしてきやがった!
「あからさまに嫌な顔したよね、いま」
「そういうことするからだな……?」
「ふーん……?」
可愛らしい笑みを崩さず、拳を握りしめる彼女。
「す、すみませんでした!! なんでもないです!!」
「ま、いいけど。席借りるわ」
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