第1章

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「転校生を紹介する」 担任の佐々木がそう言った時、琴梨(ことり)は嫌な予感がした。 開け放たれた前の入り口から、一人の男子生徒が教室に入ってきた。 女子を中心に、ざわめきが起こる。 繊細で中性的な……けれどもどこか凛とした華やかな美貌。 しなやかな長身痩躯の肢体に、制服のブレザーがよく似合っている。 漆黒の髪が長く目もとにかかり、眼差しの鋭さをいくぶんやわらげていた。 陶磁のような白い肌は、異国の血を感じさせる。 「やった、すごいイケメン!ラッキー」 隣の席の弥生が、嬉しそうにささやく。 だが、彼をひと目見た瞬間、琴梨の心臓はトクンとはねあがった。
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