第1章【危ない隣人】

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「うん、やっぱり美味しい」 私の鼓動が、千堂くんの行為のせいで早く大きく脈打っている。 「どうして、こんな事……」 「教えてあげようか? 僕はね……」 千堂くんの顔に、不敵な笑みが浮かぶ。 「吸血鬼だから」 「…――は?」 度重なる理解不能な言動と行動に、私は追い付けずにいる。 冗談にも程がある。 しかも、吸血鬼だからこんな事をするって? 辻褄が合わないどころか、もはや意味が解らない。 馬鹿にされたような気がして私は立ち上がり、千堂くんへ怒りをぶつける。 「いい加減にしてよ! これでも私は大人なの。 からかわないで」 だけど千堂くんは、こちらの怒りには動じていない様子で、その顔は相変わらず微笑が漂っている。 「信じなくてもいいよ。 ただ、僕がちゃんと忠告しておいた事実は忘れないでね?」
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