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「うん、やっぱり美味しい」
私の鼓動が、千堂くんの行為のせいで早く大きく脈打っている。
「どうして、こんな事……」
「教えてあげようか?
僕はね……」
千堂くんの顔に、不敵な笑みが浮かぶ。
「吸血鬼だから」
「…――は?」
度重なる理解不能な言動と行動に、私は追い付けずにいる。
冗談にも程がある。
しかも、吸血鬼だからこんな事をするって?
辻褄が合わないどころか、もはや意味が解らない。
馬鹿にされたような気がして私は立ち上がり、千堂くんへ怒りをぶつける。
「いい加減にしてよ!
これでも私は大人なの。
からかわないで」
だけど千堂くんは、こちらの怒りには動じていない様子で、その顔は相変わらず微笑が漂っている。
「信じなくてもいいよ。
ただ、僕がちゃんと忠告しておいた事実は忘れないでね?」
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