第1章【危ない隣人】

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反射的に目を閉じてしまった、まさにその時、玄関からドカドカと乱暴な音が近づいてきた。 「つばきっ!!」 「……雪兄?!」 身体を怒りに震わせて怒涛の表情をした雪兄は、千堂くんから引き離すように私を抱き締めた。 対して、全く驚かない様子の千堂くんは涼しげな顔で言う。 「椿、これで分かった? 僕が椿と雪さんの全てを知ってる理由」 千堂くんにそう言われても、私には全く理解出来ず、それどころじゃない脳内は雪兄への罪悪感でいっぱいだった。 「お前、椿に何しやがった!」 雪兄は私から離れ、その大きな手で千堂くんの襟元を掴む。 それでも尚、千堂くんの表情は穏やかなままだ。 「ただ、椿が知りたがってた事を教えてあげただけですよ。 貴方達の危なっかしい話し声や行動は、隣人の僕にはみんな筒抜けだってことをね」
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