第2章【制服遊び】

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「どうかした?」 つい物思いに耽っていた私の顔を、千堂くんは心配そうな様子で覗き込んでくる。 「なんでもないっ」 「本当に? 実は僕のキスを待ってたんでしょ?」 「違うってば!」 どうせ私にキスなんてしないくせに。 心からそう言ってやりたかった。 …――だって、それっきりなんだ。 千堂くんが私にキスをしたのは、あの日私が吐血したのを最後に、すっかりご無沙汰だった。 寂しいと思うのは気のせいなんかじゃない。 私は、千堂くんの事も好きだから。 雪兄のことを思うと、決して言葉にする事は出来ないけれど、こうやって私達3人の危ない関係は、不安定に続いている。 最低な私は、それを心地良くも感じていた。 それに千堂くんは、最近、皆にキスをする事が無い。 やっぱりあれは、ただのパフォーマンスだったってわけなんだ、きっと。 雪兄との関係も、千堂くんとの関係も 全ては自分に都合の良いように、絶妙なアンバランスを保っている。 この関係が、そう長く続くはずがない事は内心よくわかっていた。 ――だって、長く続いてはいけない関係だから。
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