第2章【制服遊び】

5/20
前へ
/306ページ
次へ
考えを廻らせている私に、千堂くんは不意に投げかける。 「ところで、たまには雪さんの変態行為を拒んだら?」 「え、なんで?」 私は、間抜けな顔を向けるしか出来なかった。 「兄妹であんな関係なんて、普通考えられないよ? ただでさえ僕は、おあずけ喰らってるって言うのにさ」 突然こちらに顔を寄せ、彼は私の短い髪を掴んで口元に当てる。 切れ長の瞳が、私を捉えて動けなくさせた。 「この匂いが僕を狂わせるんだ。 ――わかる?」 その妖しげな笑みを見る度に、何故だか期待にも似た不思議な気持ちに陥ってしまう。 「兄さんと椿がキスしてるのを大人しく眺めてるのも、もう限界。 それでも、雪さんとの関係を続けていくの?」 そう言われても、私が雪兄を拒む理由なんて無い。 「だって――」 雪兄は私を好きでいてくれるし、私だって雪兄が好きなんだ。 私たち兄妹は、それが当たり前の関係なのだから。 ……なのに、千堂くんの好意を優柔不断に受け入れてしまうのも事実。 それが良くない事も、頭では理解しているというのに。
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!

154人が本棚に入れています
本棚に追加